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*第一章 第一節 「穏やかな朝」

○「Fate/エミヤを継ぐ者」:
第一章 その背中を見つめて
第一節 「穏やかな朝」



作者:White Snow



 ――――わたし、遠坂凛に課せられた宿題は多い。

 一つ目は、魔術師であるわたしは、すべての原初にして終着点である根源――「」を目指すこと。

 これは魔術師であるならば、当然目指す先であり、永遠にたどりつけないかもしれない道を進むための覚悟でもある。


 二つ目は、遠坂家の当主に課せられた命題――“宝石剣”の再現をすること。

 これは遠坂家の家宝として伝わる現代の魔法使いである大師父ゼルレッチ老の残した遺物、第二魔法の一欠けら“宝石剣”。
 一欠けらと言っても、現代科学で実現不可能な奇跡を起こすあの“魔法”の一欠けらである。
 それを再現しようとするのだ。宇宙という概念がなく、それこそ太陽や月、星がカーテンにとりつけられた松明や蝋燭と信じられていたような時代に、ロケット開発して月に行くようなものと考えればどれだけ困難なことか想像できるだろうか。


 三つ目は、師弟の関係だった父から娘に対して遺されたもの――聖杯戦争に勝利し聖杯を手にすること。

 これに関して紆余曲折はあったものの結論から言うと、聖杯戦争においてサーヴァントとともに勝ち残ることはできたマスターはわたし一人だけだった。
 もちろん、わたしだけの力と自惚れるわけじゃない。
 むしろ多くを犠牲にしてきて、決着は他の手によってつけられたようなものだ。
 けれど、わたしは生き残ることができた。だから勝者となったのだ。

 ……結局、聖杯は手にしなかったけれど。

 もともと、聖杯はわたしにとって勝利の証――トロフィーのような価値でしか捉えていなかったし、くれるというのならもらっていたところだけど、実際の聖杯はトンデモナイものだったのでご遠慮したのだ。
 まぁ、何でも欲しい物をくれる無限引換券をもらうはずが、先に大切なものを賞品として得ることができたのだ。大変な思いをしたバランスはとれているから、それに関しては良しとする。
 こうして娘として父の期待に応えたわけだが、その代わりにもう一つ宿題をもらってしまった。


 最後の四つ目…………恥ずかしくて誰にも言えないんだけど、目下最優先事項であるこの宿題は、アイツから頼まれたものだ。

 聖杯戦争の最初の相棒にして、恐らく最後まで相棒だったアイツ――アーチャーとの約束。
 あの馬鹿(士郎)をずっと見守り幸せにするというもの。
 そうだ、決してあのアーチャーのように、士郎をあんな悲しい結末を迎えさせてなんかやらない。

 遠坂凛は自分で言うのもなんだけど、優秀なのだ。この程度の宿題に根を上げる気は更々無い。
 もちろんすべての宿題を片つける。でもって士郎といっしょに楽しいこと一杯して、世界一の幸せ者にしてやるのだ。

 ――――そう、これは遠坂凛にとって決定事項。

 最期には笑いながら、好きだった父――あの人の娘として誇りを持って会いにいく。

 その時にはとびきりの土産話を父に聞かせられるだろう。下手な冗談を言うより強力そうだ。
 それを想像すると面白い。あの厳めしい父の顔を崩すことは幼い頃、密かに企んでいたことだから。
 なにせわたしの人生、あの士郎といっしょに生きるのだ。こちらが望んでいなくても自然と波乱万丈なものになるだろう。

 うん、未知への挑戦は面白いし、士郎の将来も多くの意味で楽しみだ。それに老後には哲学、死後にまで楽しみがある。

 ……我ながら天晴れな人生設計。

 快楽主義なわたしにとって、人生は楽しくないといけない。
 季節は夏。空を見上げれば、見事なまでの快晴。
 その眩しくて暑い日差しを浴びながら、胸一杯に空気を吸い込んで背伸びをする。

 さて、今日も楽しく過ごすとしますか――。



 もはや我が家も同然となった衛宮邸を出る。

 今日は、七月十二日の金曜日。
 わたしは別に変なモノが出てくることを信じていないのだけれど、日にちと曜日がズレていたら気分的には嫌なものになったであろうが、今日のところはセーフ。

 一学期の期末試験も終わって、その結果に一喜一憂する一週間も沈静化した今日この頃。
 順位が張り出され、笑った者もいれば、泣いた者もいる。
 ちなみに、わたしは定位置にいるのは確認済み。

 夏休みを目前に控え、わたしたち三年は、進路に関するガイダンス、自習、卒業論文などが中心になった授業になっている。
 やはり今の時期は、空いた時間といった感じなので気分は高揚して、気弛みしたような雰囲気は否めないところだ。

 かく言うわたしも、多少は浮かれている。もっとも、それは別の意味に起因しているのだけれど。


 近況としてはこんな感じ。わたしは、忙しくも充実した毎日を送っている。

 振り返れば、件の士郎――この家の一応の主である衛宮士郎がいる。なぜ一応なのかは士郎が可哀想なので、ここではあえて語るまい。

 短いツンツンとした赤毛。意思の強さを感じさせるまなじりと、固く結ばれた口元は彼の印象を頑固なものに感じさせる。
 数ヶ月前までは身長にそんなに差はなかったけれど、最近では見上げなければならないほどの心身ともに目覚ましい成長をとげている。

 最近富に逞しくなった士郎は、特に夏服に変わったことでカッターシャツからのぞく鎖骨の辺りにどきどきしてしまう、わたし。
 漂う風格もやけに大人びてきていて、その横顔はもはや反則といって良く、更にどぎまぎしてしまう、わたし。

「お見送り、ありがとうな、セイバー」
 士郎が声をかける相手は、その隣にいる凛々しい少女、セイバー。

 こちらは絵に描いたような欧州美人――金髪碧眼の目の覚める美少女だ。
 一分の隙の無さと闊達(かったつ)さが、小柄ということもあって少年のようにも見える。
 言うと本人は怒るけれど、ぬいぐるみや食べることが好きな見た目相応の可愛い女の子らしいところもある。

 彼女は、わたしのサーヴァント。
 聖杯戦争後も彼女自身の意志で残ることになった剣の英霊――セイバーである。
 そうは言っても、白いワンピースを身に纏ったこの子を、人類最強の守護者の一人とは思えないほど可憐ではあるのだけれど。

「はい。シロウ、凛、道中お気をつけて」
 穏やかな微笑を浮かべるセイバーは、同性であるわたしから見てもとても綺麗だ。

 ――――だからと言って、士郎が顔を赤くしているのはわたしに対する冒涜ではあるまいかっ!

「うわっ、遠坂!」
 当然面白くないので、わたしは士郎の腕に思いっきり寄りかかってみる。

 士郎は焦って顔を更に赤くする。
 思わず顔がほころんでしまうのがわかる。士郎の反応はあの頃のままとてもからかいがいがある。

「さ、行くわよ士郎! じゃ、行ってくるわね、セイバー」
「――ああ、もう引っ張るなって。じゃ、じゃあ、セイバー行ってくる。夕ごはんは期待しといてくれ」
 セイバーはわたしが士郎を強引に引っ張っていくのを楽しげに見つめながら、もう習慣となった「いってらっしゃい」を言って送り出してくれた。



 本当であれば、この他に間桐桜と、わたしたちのクラスの担任である藤村先生といっしょに登校するのは当たり前となっている。

 桜はわたしの一つ下の後輩にあたり、以前から知っている仲だ。
 その桜は、長い髪をサラリと流した今では珍しい大和撫子を体現しているような可愛い子――いや、美人と言ったほうがいいだろう。
 その漂う色香は、本当にわたしよりも年下なのだろうかっ、と言いたいぐらいには。

 とある事情でこの家の家事のお手伝いをするようになってからの縁で、桜はこの衛宮家の家族同然となっている。
 周囲を穏やかな雰囲気にさせる桜の存在は、わたしを含め衛宮家に出入りしている者なら癒しそのものの、と言ったところか。

 士郎にすれば桜が妹みたいなものだとすれば、対して藤村先生――藤村大河という人物は姉のような存在なのだろう。
 藤村先生はくるくると表情が変わり、髪型がショートであることも手伝って元気一杯といった感じ。

 正確には、“姉”より“姐(あね)”と言うべきであろうか悩むところ。
 先生の実家が本当にその筋であるからコトは複雑なのだが、その本人はいたって破壊的で暴力的であるものの楽天的でお日様のような女性だ。

 この人は綺麗なのに、落ち着きのなさと突発的な言動で悪く言えば子供っぽいところがあってそれを感じさせない。
 ……藤村先生、いろいろな面で桜に負けているのは大人の女性としてどうなのか。

 …………いや、この人のことを語るには、これだけでは充分でない。
 この人は本当にスゴい女性なのだ。

 なにせ込み入った事情のあった士郎を見守り導いてきたのだ。
 それがどんなに大変なことであるかは、士郎の過去――心の深淵を垣間見たわたしにはよくわかる。

 ――――桜と、藤村先生。

 この二人がいたから今の士郎がいて、その三人が衛宮家にいるから、ここはこんなにも居心地が良いのだと思う。



 その二人はすでに朝錬に出かけている。

 桜は弓道部に所属し副主将を、藤村先生はその顧問をやっている。
 その弓道部は夏の大会向けて練習に熱が入っているものだから、ここ最近朝錬は毎日なのでいっしょに登校できない。
 藤村先生曰く、主将の美綴綾子をはじめ、桜の射もなってきており、それが他の部員に伝わっていい感じなのだそうだ。

「行くわよ、桜ちゃん。弓道界の星になるのは、あなたよ!」
「はい、先生。わたし、ガンバリます!」
 これが十五分前に出て行く時の、炎を纏った二人の会話。

 セイバーも出し渋るほどの勢いでおかわりを――さすがにその回数を言うのは二人のプライバシーのために言わないけれど、とにかくそのくらいの元気一杯ぶりで朝食を食べて登校していったのだった。

 まさに台風。

 士郎に至っては二人のおかわり攻撃にタジタジで、結局二人が登校するまで朝食を食べるのを忘れているほどだった。

 これがわたしの今の朝の日常。
 聖杯戦争で勝ち取ったかけがえのないもの。

 ――――ささやかだけれど、わたしには縁のないものだと思っていた幸せな日常……。



「……降参。……いい加減、離してくれ」
 士郎は目を右往左往させながら周囲を気にしている。

 時間は一般の生徒が登校するには早いので、人通りは無くて静か。
 けれど、誰かに見られたら気が気ではない士郎にはそんなことは関係ないのだろう。

「駄目よ、衛宮くん。わたし達、恋人同士なんだから、このまま学校に行きましょう♪」
 いたずらを込めて“恋人”の辺りにアクセントをつけて更に体を押し付けると、士郎はすっかり茹で上がった顔のまま押し黙ってしまった。

 三年に進んだわたし達は、当初の予定通り、晴れて誰の目に憚ることなく恋人宣言をして今に至っている。
 ……なんだけど、士郎もわたしもこの手の経験が疎いため、こうしたことをするのもどうにも照れ臭い。

 ……もうっ。そんなに赤くなると、こっちも恥ずかしいじゃない!

 士郎は気がついていないのだろうか。わたしの心臓もバクバクしている。

 ……こんな具合に自爆している有様なのだけれど。
 でも、それが何だかとても気持ちが良くて、幸せな感じがするのだ。

 ……うん、やっぱり有言実行することにしよう。



「……桜、元気になったよな」
 学校に行く途中、士郎はポツリとそんなことを口にした。
 朝の桜の様子のことを思い出しているんだろう。

「ん。……まあね」
 その呟きには重さが感じられた。
 その噛み締めるように言った士郎は心底ほっとしたようで嬉しそうだったが、内心は穏やかなものではないだろう。

 ――――その原因は、桜の兄にある。

 聖杯戦争において、桜の兄――間桐慎二はライダーのマスターとして参戦し、その加害者と被害者になったのだ。
 被害を出さないために聖杯戦争を挑んだ士郎にとっては、その事実が忸怩(じくじ)たる思いをさせてしまうのだろう。

 慎二はライダーに命じて自分の学校に結界を張らせ、実際にそれを起動させて全校生徒を犠牲にしようとしたのだ。
 幸いにして短時間で結界は解かれたから大事に至ってはいないが、そんなものはただの偶然に過ぎない。
 本人に結界を解く気はなかったのだから、あの時ライダーが何者かに殺されていなければ、その被害は甚大なものとなったことだろう。

 そのことを考えると腹立たしくてしょうがないのだが、慎二は操られるままに才能も何の覚悟も無いままこちら側に入ってきただけだった。

 そして、慎二はその報いとして、アインツベルンの聖杯であるイリヤの心臓を無理矢理移植された。
 それは今思い出すだけでも吐き気がするような大変なコトになってしまったのだが、かろうじて助け出すことはできた。
 正直、命があっただけでも幸運だったと言える。
 まあ、あれだけわたしが体を張って助け出したのだ。助かってもらわねば割りに合わない。

 ……例え、多少障害が残ったのだとしても。

 慎二は協会に関係する病院へ入院して、桜の甲斐甲斐しいお世話も手伝って退院したのは今から二ヶ月ほど前。
 日常生活を送れるぐらいには回復したのだが、手足に痺れが残って弓道なんかの運動をやるのは難しかったらしい。
 それで慎二は弓道部を辞めることになって、彼の推薦もあって桜は副主将になった。

『僕の代わりなんだから、桜、しっかりとやれよ』

 桜、わたしと士郎がお見舞いとして来ていた時、病室のベッドで体を起こした慎二は桜にそう言ったのだ。
 あいかわらず素直じゃない言い方だったけれど、その声には恨みがましいところはなく本当に励ましているようだった。

 ……人間、変われば変わるものだと心底驚いてみたものだ。

 このところの桜が元気なのは、あの慎二のおかげでもある。
 そう考えれば、助けたことは間違いではないと思うことができる。

「――うん。遠坂が嬉しそうなんで、俺も嬉しい」
 突然、士郎はこちらの顔を見ながら嬉しそうにそうおっしゃってくれやがりました。

「はあっ!?」
 わたしは、また不意を突かれたらしい。

 不覚、顔に出てしまっていたのか。
 それを自覚すると――頭が真っ白に……。

「っ! そっ、そうよ! あの子の元気なところが見れるのは良かったわよ! ええ、本当に良かったわよ!」
 声高く叫んでしまってから、士郎の更ににやけた顔を見ると恥ずかしさで後悔する。

 ……わたしと桜の関係は、士郎には伝えていない。
 それでも、士郎にはその感情を悟られてしまっていたのだ。それが何とも悔しくてしょうがない。

 ――――甘いと笑えば、笑え。

 桜が幸せそうなら、それはどんなに嬉しいことか。

「――ああ、本当に良かった。助けることができて、本当に良かった。
 慎二のやったことは赦せないけど、あの時、遠坂ががんばってくれなかったら、桜すっごく落ち込んでいたと思う。あんな風に笑っていられなかったと思う」
 だから、ありがとう、と言う士郎の顔は……顔は、顔は……ああ、とても正視できるものじゃない――。

「? 遠坂、顔赤いぞ。風邪か? はっ、そう言えば体温も高い気が!?」
 ……さて、この見当違いの馬鹿をどうしてくれようか。



「――で、いつまでそうやってじゃれあっておる気か?」
 そう指摘されて、お互いの状況を把握するに至って慌てて体を離す。

 わたしとしたことが、いつの間にか校門前まで来ていたことに気がつかないとは。これというのも士郎が面白かったせいだ。
 さすがに学校の中まで腕を組んで行くのは、わたしのモラルと心臓がもたない。

 ……特にこうして知り合いに見られたり、冷やかされたりするのは。

「おはよう、柳洞くん」
 長年培ったものは大きかった。
 “継続は、力なり”とはよく言ったもので、心の動揺を収めて平静に戻り、いつもの優等生である遠坂凛の笑顔で……。

「? ねぇ、柳洞くん、どうして息切らしているの?」
 目の前にいるのは、柳洞寺の跡取り息子である柳洞一成くん。
 身長が高くなった士郎よりも若干高く、涼しげな容貌をした眼鏡が知的さを感じさせる好青年で通っている。

 彼とは中学で生徒会に所属した縁から続く天敵同士。もちろん、わたしが柳洞くんの天敵という相関図で。
 柳洞くんは“不動の次席”と呼ばれる成績優秀者で、各運動部からのスカウトと助っ人話がいまだ絶えない運動神経の持ち主。更にこの学園の生徒会長である。

 これだけモテる要素をそろえ、その手の告白も多いと聞くが、なにゆえ彼女を持たないのか不思議でしょうがない。
 ……士郎に関係するとアツくなるから、もしかすると……多分そうなのかもしれない。ゆめゆめ気をつけないといけない相手だ。

 その柳洞君はいつものクールさからはほど遠い状態――いくら夏だからと言ってもそんなに息をきらすほど暑くはないのに、全力疾走してきたばかりのように荒い息をついている。

「バカモノ! 衛宮を待っておったら、こう窓から見えたのであってな、腕は組んでいるのが、お主と衛宮を」
 余裕がないのだろう。少し文法はおかしいが、言いたいことはわかった。

 要するに、窓からわたしたちを見かけて慌てて校門前まで降りてきたらしい。
 ……暇人と言うか、それとも律儀と言うか。

「……お、おはよう、一成」
 こちらもまだ平静さからほど遠いようだが、律儀さなら負けていない士郎が柳洞くんに朝の挨拶をやっている。

 やや士郎が消耗して見えるのは、わたしが「本当に熱があるかどうか、衛宮くんのおでこで試してみれば♪」と迫ったせいだろう。

 …………いや、早めに学校に来ていて本当に良かった、良かった。
 観客が少なかったことに感謝しなくてはいけないだろう。
 わたしたちを遠くから見れば、……ごにょごにょしているように見えたかも……しれなかったから。

「おはよう、衛宮。……ではないっ!
 朝から、女狐とあんな……あんな……不謹慎だ! 不潔だ! おお、衛宮、昔の純真さはどこにいったというのだ!?」
 ほら、すっかり誤解して慟哭している人がここに一人……。

「ご、誤解だ、一成! お、落ち着いてくれ」
「かような言葉では騙されぬ。……いや、女狐に騙されておるのはお主の方だ。目を覚ませ、目を覚ますのだ、衛宮!」
「……くっ、目は覚めている、覚めているから一成、……もう、勘弁してくれ」
 泣きながらがくがくと肩を揺さぶる柳洞くんと、失神しそうな士郎。

 正直、見ていて飽きない。

 楽しいのだけれど、そろそろ士郎が涙目でこちらの助けを請うていることだし、時間が迫っているのも事実。

「ほら、行くわよ、柳洞くん、士郎。時間は限られているんだから、さっさと始めましょう!」
 わたしは二人の返事を待たずに校舎に歩き出す。

 ――――振り返らなくたってわかる。

 ほら、不機嫌そうな柳洞くんと、「助かった」と一息ついている士郎が、後ろから慌ててついてくる足音が聞こえてくるんだから――。



<履歴>
掲載日:2005/10/21
投稿日:2004/08/21
誤字修正日:2006/03/01

用語説明


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