○ノベルズ「空の境界」感想
■経緯
同人時代に、奈須きのこ氏が書かれたノベルズ。
2001年に発刊されていましたが、その後加筆修正されて、講談社から発刊されたものになります。
私がこの作品を知った当時、すでにどこにも在庫がなく諦めていました。
あったとしても、法外な値段のついたオークション品ぐらい。
それが、いろいろな紆余曲折を経て、読めるようになったのは幸いなことです。
■収録内容
□空の境界・上巻 1.俯瞰景観
2.殺人考察
3.痛覚残留
4.伽藍の堂
境界式(幕間)
5.矛盾螺旋
解説・笠井潔
□空の境界・下巻 6.矛盾螺旋
7.忘却録音
境界式(幕間)
8.殺人考察
空の境界(終幕)
解説・笠井潔
■あらすじ
「空の境界」は、「月姫」、「Fate/stay night」と同じ世界観をもって描かれています。
かといって、完全に交わるというワケではなく、どこかで繋がっているという感じです。
主人公は、“異常”の象徴たる“死”の線が見える両儀式(りょうぎ しき)なる人物。
その人物に心惹かれていく、“平穏”の象徴たる心優しい青年――黒桐幹也(こくとう みきや)との交流がメイン。
そして、封印指定の魔術師として世捨て人同然に生きる、伽藍の堂の所長――蒼崎橙子(あおざき とうこ)と、彼女と関わりを持つ魔術師の求道も大きなテーマ。
■感想
この「空の境界」の世界観、静謐な月明かりを彷彿させてくれて、何とも言えない雰囲気にゾクゾクとなります。
何より式が可愛く、黒桐くんの人柄の良さに憧れます。
しかし、彼のような知り合いは苦労するのです。私の周囲にも彼のように何だか“ほっとけない”困るのです……。
ほっとけないのか、ほっときたくないのか……。悩むところです。やれやれ。
また、笠井潔氏が熱心に解説を入れております。
……まぁ、正直なところ、物語なのですからその人それぞれの感性でその物語を味わえば良いのじゃないのかなぁとは思います。
ちなみに、この本、けっこう分厚いです。
おまけに二段のページ構成。
解説を除いて、上巻406P、下巻452Pです。
本を読み慣れていない方には辛いと思います。
けれど、活字中毒の方には読み応えがあるというレベルです。
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- 2006/04/18(23:54:35)
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